「例の手慰み（＝博奕）」によって散財した男は、裕福な旦那（有徳人）の家へ夜な夜な忍び込んで、金品を算段しようと企てます。苦労しながらも座敷へ侵入して茶道具や衣類などを物色していると、灯火の中に小袖に包まれた赤子を見つけて […]

鎌倉での商いが芳しくない藪医者〔薬師〕は、生活の拠点を奥州（東北地方）へ移そうと考え長旅に発ちます。道中武蔵野（関東平野）に差し掛かると、それまでの天候が一変し雷鳴轟き、何と眼の前に雷様が落ちてきます。したたかに腰を打ち […]

都での訴訟事が叶い目出度く帰郷の運びとなった田舎大名は、在京中世話になった人へ振舞う馳走を買い付けて来るよう、召使（太郎冠者）に命じます。出掛けた召使は雁屋で初雁（はつがん）を見つけるも代金は持ち合わせず、また掛売での求 […]

膏薬（皮膚疾患や湿布などに用いる貼薬）名人と自負する鎌倉と都の膏薬煉。とは云え、互いの噂も耳にしていて心中穏やかではありません。そこで相手の膏薬の出来を比べようと旅立ち、出典の系図や調合する薬種を披露するなど、自慢話が発 […]

太郎冠者（家来）が夜興（よこう＝山中で猟をする事）に出掛けていると聞き知った主人は、その真相を問い質しますが、家来はのらりくらりとかわして惚ける始末。そこで家来の嘘を暴こうと一計を案じた主人は、上野の市へ狸を求めて来いと […]

奥丹波に住む主人は、都の伯父のもとへ木と炭を荷を六駄ずつ届けるようにと、太郎冠者（召使い）に云い付けます。牛に括り付けて雪道を進む道中、峠で茶屋を見付けた太郎冠者は、寒さ凍えながら立ち寄ると・・・。 雪深い山道を、計12 […]

秋も深まり狐塚と称する田にも稲がたわわに実っています。群鳥に荒らされぬよう、主人は召使（太郎冠者）に田の見張り番を命じます。太郎冠者は早速鳴子を用いて群鳥を追い払っているところへ・・・。

実は臆病者でありながら、日ごろから空威張り強がりを云う召使（太郎冠者）。主人は知りつつもその真価を確かめようと、召使に留守番・夜回りを命じて出掛けるふりをし、物陰から様子を伺っていると・・・。

越前の国金津の男が、在所で建立した持仏堂に安置する地蔵を求めて京の都へやってきます。 都の賑やかさになかなか仏師を探せない男の元へ、都の素っ破（詐欺師）が近づき自ら仏師であると偽って口八丁手八丁で契約を結び、金を騙し取ろ […]

鎮西八郎為朝が西国から都へ上る道中、播磨の印南野に差し掛かると鬼に出くわし襲われます。鬼は自分の娘がまだ生き物を食べた事がないので、良い機会だと云って喰い初めをさせようと脅します。為朝も只では喰われまいと、娘と何か勝負を […]