禰宜山伏(ねぎやまぶし)

登場人物
山伏・禰宜・茶屋亭主・大黒天
上演時間
約30分

旅の道中、禰宜が街道の茶屋で一服しています。すると偶々山伏が通りかかり、禰宜に対してなにかと難癖を付けはじめ、挙句の果てには肩荷の箱まで押し付けて家来同然に扱おうとする始末。この様子を見咎めた茶屋の主人は、計らいに主人の所有する大黒天を、双方の祈祷で祈り比べて勝負するよう提案します・・・。

一見大人しくも伊勢神宮の威光を背景に持つ芯の強い禰宜と、難行苦行の末に得た能力ゆえ、傲慢な態度をとる山伏の対比がくっきりと描かれている演目で、神仏信仰の表れとともに権力に抑圧された時代背景も捉えた作品です。

また大黒天役には敢えて子どもが演ずる事も多く、大きな小槌を振りながらの采配ぶりは、小さいながらも絶対の自信が伺える、痛快な作品とも云えます。