蝸 牛(かぎゅう)

登場人物
山伏・召使い・主人
上演時間
約25分

祖父に更なる長生きをしてもらおうと考えた主人は、長寿の薬にもなるという『蝸牛(かたつむり)』を捕ってくるよう、太郎冠者(召使い)に命じます。
蝸牛がどのようなものかも知らない太郎冠者は、藪に行けば必ず見付かるもので腰に貝を付けているなどと教えられ、言われるが儘に出掛けて捜索を始めます。藪には長旅で疲れ果てた山伏が寝ていて、太郎冠者は蝸牛を探し当てたと思い込み・・・。

かたつむりの特徴に悉く合致するがために、山伏を蝸牛と取り違えるという一見突飛にも思える演出ですが、そこは狂言のこと、感じさせる余地のない可笑しみを誘います。
流派によっては主従の人物設定が親子や兄弟となったり、また終曲部にも相違が見られる作品でもあります。