三本柱(さんぼんのはしら)
裕福な主人〔果報者〕は三人の家来を呼出し、普請(ふしん=新築・増改築)のためにあらかじめ用意しておいた木材を、山から下ろして運んで来るように命じます。ただしそれには条件があって、『三本の柱を、三人で二本ずつ持って戻る』との事。指令を受け山へ出向いた家来達は、この難問の意を試行錯誤しながら解きはじめます・・・。
狂言に於いて家来(太郎冠者など)が登場する演目の多くは、《任務失敗》に終わる事で笑いを誘発するのですが、本曲では家来たちの数学的知識への挑戦、或いは任務遂行に向けての実直さなど、抱える主の期待に応えるべき知的レベルと忠誠心が伺えます。
また新築をテーマに扱った目出度い演目でもあるゆえ、杮落し〔舞台披き〕などで披露される事も多く、名古屋能楽堂の開館記念公演や名古屋城本丸御殿の起工・完成の各式典などでも上演されてきました。