清 水(しみず)

登場人物
召使い・主人
上演時間
約25分

近年世間では茶会が流行(はや)っています。主人も流行に乗って茶会を開くにあたり、使用する水(=湧き水)を汲んでくるよう召使いに命じます。召使いは日頃からあれやこれやと用事を遣わされていて気が進まないので、清水へ行くと鬼に遭遇して襲われたと嘘をつき、主人から預かった秘蔵の水桶も投げ捨ててきたと言い訳をします。主人が水桶惜しさに自ら様子を見に行くと云いだすので、嘘がばれては大変と慌てた召使いは先回りをして、とある作戦を企てますが・・・。

時に人は日々の仕事から逃げ出したくもなるものです。しかしながら召使いは調子に乗って余計な事をしたばかりに、≪嘘に嘘を重ねると・・・≫といった教訓の盛り込まれたストーリー展開で、やがて言い訳の破綻を招きます。可笑しみを交えての失敗談として、かつては小学校の国語教科書にも採用されており、併せて道徳教育にも通ずるテーマとして取り上げられています。

(注)ストーリーの進行上、「伯母ケ酒」と共通する部分を含みます。