若和布(わかめ)
丹波の国能勢寺の住職が、寺の修復落成の祝いに檀那衆へ振舞う酒の肴として、《若和布》を買い求めて来いと弟子の新発意(しんぼち=見習いの坊主)に命じます。新発意は都へ出掛けますが都の賑やかさに海産物屋を探し出せないところへ、その様子を見ていた詐欺師が近づき、これが《若女(わかめ)》だと偽って連れの女を引き合わせます・・・。
都の詐欺師(素っ破)に偽物を売りつけられるというストーリーは多く、「末廣かり」「宝の笠」「仏師」などにも見られますが、本曲は後半さらに一展開する面白さを秘めています。