轍 (わだち)
やまかわさとみ氏作 名古屋開府400年記念事業
清須の御城下に名古屋遷府の高札が上がった。城はもとより寺・神社・橋までも解体し、役人町人打ち揃ってまるごと引っ越すてんやわんやの有様を、主人の命で見物に出かけた太郎冠者。美濃街道では、加藤清正の配下の石運びに巻き込まれ、庄内川の渡船では、五条橋の擬宝珠を運ぶ福島正則の手下も道連れに。三人は何かと揉めながらも、それぞれの主人の自慢話に花を咲かせて意気投合。一路名古屋に到着すると、堀川の祝い酒に酔い、清正の石曳きで先導役を務めて、新しい都市へ希望を抱く。そこで太郎冠者は、躊躇する主人に「清須越し」を進言しようと決意した。
《新しい都市づくり》をテーマに、名古屋開府400年を記念した狂言会において初演されました。
平成22年11月6日 清須越四百年記念狂言会 於/名古屋能楽堂
主催/清須越400年事業ネットワーク
平成23年5月14日 太閤まつり前夜祭 於/中村区豊國神社境内
主催/豊國神社
平成25年4月 6日 なごや堀川狂言会 於/名古屋能楽堂
主催/堀川ライオンズクラブ
◆初演時配役
清須の太郎冠者/佐藤 友彦 肥後の石工頭/佐藤 融 安芸の土方頭/今枝 郁雄