福の神(ふくのかみ)
毎年年の暮れに大社を訪ねる二人の信仰者。今年も連れ立って参詣すると、
これを見守っていた福の神が降臨します。熱心に参拝を重ねる二人に対して、今後豊かな暮らしを続けるための秘訣をと、神は訓示を述べますが・・・。
狂言には福の神をはじめ夷(恵比寿)や大黒など、庶民の信仰を集めた親しみのある神が登場し、ほのぼのとした温かみを感じさせます。殊に本曲では「夫婦に争い事があってはならぬ」「訪問客を拒んではならぬ」など、現代でも通ずるような訓示を述べつつも、「福の神には酒を供える」「厭というほど振る舞う」などと我が儘な一面を覗かせます。
節分に行われる豆撒きの神事は、古くは正月行事とも謂われています。