松囃子(まつばやし)

登場人物
万歳太郎・兄・弟
上演時間
約20分

毎年門付けの祝いを舞に来るはずの万歳太郎が、今年は訪れないと待ち侘びる兄弟。一方太郎は、例年年末に兄弟から届くはずの年取り物(=正月を迎えるにあたり準備する飾り物や食品)が、まだ届いていない事を疑念に持ちつつ出掛け、何かお忘れではないかと松囃子の舞に乗じて、やんわりと催促する事に・・・

「門付け」「松囃子」とは、芸人が正月に贔屓筋の家々を訪問して、萬歳や猿楽などの音曲を目出度く祝福して演奏した中世の芸能で、当時の風習を感じる事のできる演目です。
本曲は和泉流のみに残る演目であり、失念した謝礼を思い出させようと苦心する作品として、類曲に「無布施経(ふせないきょう)」があります。