吹 取(ふきとり)

登場人物
男・旦那・女
上演時間
約25分

未だ定まる妻を持たない男は、願掛けに清水の観世音を訪ねて一夜を過ごします。すると『八月十五夜に五条の橋へ出掛け、月と共に笛を吹け。その音に惹かれて女性が一人現れるであろう。』と夢のお告げを授かります。ところが男は笛を持たず吹く事も出来ず。そこで知り合いの笛の名手に代理を頼むと・・・。

妻乞いを求める類曲には、狂言「因幡堂」や「釣針」などがありますが、本曲は笛の音に頼るという工夫が見られます。また以前は囃子(笛方)の演奏に合わせて演じてもいましたが、昨今は狂言方自身が笛を嗜む演出を用いる事も多くなりつつ、演技とともに演奏も見どころ聴きどころです。