引 括(ひっくくり)

登場人物
男・妻・近所の衆
上演時間
約20分

日ごろから妻の態度や振舞いを疎ましく感じていた夫は、暫らくの間里帰りをしてはと妻に提案します。しかし夫の本心を察した妻は、暇の印となる物を夫に求めます。夫は布袋を渡して「この中に好きな物を入れて持って行け。」と応じると・・・。

今も昔も変わらぬ夫婦の駆け引きや離縁憎悪の騒動も、本曲を御覧になれば気分もホッコリ和むのではないでしょうか。
大蔵流では廃曲と聞き及びますが、茂山千五郎家では「延命袋」のタイトルで伝えられています。また和泉流では、近所の女房衆が加勢して夫に対峙する演出《大勢物》も伝承されています。