鎌 腹(かまばら)

登場人物
男・妻・仲裁人
上演時間
約20分

山仕事を生業にする男(太郎)は、日ごろから働きが悪く怠け癖が抜けません。今日も妻から「早く山へ仕事に行け」と、棒や鎌を振り上げられては追い立てられるところを、仲裁人が見つけて止めに入ります。太郎は仲裁人の手前、思わず「この鎌で切腹してやる」と啖呵を切ってしまい・・・。

今更後に引けなくなった太郎の、男の意地と死への恐怖、心理描写がよく織り込まれており、あの手この手で切腹を試みる仕草や駆引きが、切なくも笑いを誘います。

けたたましく唐突に始まる序章部も、他の演目とは異なっていて見どころです。