連歌盗人(れんがぬすびと)

登場人物
男(盗人)・仲間・家人
上演時間
約40分

当世流行りの連歌を嗜む男は、初心講(=連歌の初心者が集う会)の頭(とう=当番)にあたったものの貧しさゆえに持て成す費用が捻出できません。同じ境遇で当番になっている仲間を訪ね相談し、裕福な有徳人のもとへ盗みに入ろうと計画します。苦心の末に屋敷へ忍び込んだ両者は、座敷の床に置いてあった懐紙を見付けると、そこには『水に見て 月の上なる 木の葉かな』と書かれた和歌の上の句が。二人は興に乗じてその句の続きを思案していると・・・。

連歌とは、複数の詠み手によって和歌の発句(上の句)・添え句(下の句)を付け合う遊びで、中世から近世にかけて流行しました。それゆえ同じ時期に成立した狂言には、連歌に纏わる作品も伝承されています。

本曲では、連歌の添え句に夢中になるあまり、盗人である身の現状と本来の目的を忘れてしまう間抜けさ、即ち《緊張と緩和》によって笑いを誘引します。連歌が庶民の娯楽として流行っていた時代の一端を良く表した演目で、類曲には『蜘盗人』があります。