薬 水(やくすい)

登場人物
老翁・老人達(立衆)
上演時間
約25分

美濃國本巣郡に住む老翁が近所の老人達を集めて、不老不死・長寿の源である瀧の謂れを語り、奇特なご利益にあやかってみようと提案します。瀧つぼを訪れた老人達が水を口に含むと不思議な事が起こり・・・。

狂言単体での上演も可能ですが、本来は能「養老」の替アイ(=特別演出の間狂言)で披露される別様式の演出です。通常のアイでは、養老の山を護る山ノ神が現れて瀧の謂れを語ったのち、《三段之舞》を披露して目出度く舞い納める展開ですが、この替アイでは云わば一服の清涼剤の如く〔劇中劇〕の手法を用いて能の前後段を繋げます。

替アイの存在する能には「嵐山〔猿聟〕」、「夜討曾我〔大藤内〕」、「橋弁慶〔弦師〕」など数曲ありますが、いづれも狂言単体での上演でさえ珍しく、近年では上演機会稀れな演出となっています。