花 折(はなおり)

登場人物
新発意(修行僧)・住職・花見客
上演時間
約35~40分

花盛りの庭を持つ住職は寺内が荒らされては迷惑と考え、《花見禁制》と修行僧の新発意(しんぼち)に言い付けて外出します。留守を預かる新発意のもとへ花見の一団が訪れますが、中へ入れずに門前で断ると、旦那衆は塀越しに外から桜を愛でて酒宴を為す始末。その様子が疎ましかった新発意も次第次第に羨ましくなって・・・。

出家狂言と分類される中では賑やかな大勢物で、未熟で無邪気ゆえな修行僧の失敗談です。

能「西行桜」のパロデイーとも位置付けされ、古くは「花折新発意」というタイトルで伝承されてきました。舞台上には桜の作り物も登場させ雰囲気を増し、まさに華を添えます。