朝比奈(あさひな)

登場人物
朝比奈三郎・閻魔王
上演時間
約25分

人間が利口になって仏教に帰依したため、皆が極楽へ往ってしまうので、
地獄は飢饉の非常事態。そこで地獄の主(閻魔王)は自ら六道の辻まで
出向いて、罪人(亡者)を引き入れようと待ち受けていると、そこへ一人の
武者が通り掛かり・・・。

題名「朝比奈」とは、鎌倉時代初期の御家人・和田義秀(別名/朝比奈三郎)を指し、父の和田義盛が北条氏打倒を企てた讒言に因って起きた《和田合戦》での活躍がめざましく、本曲ではその奮戦を語る武勇伝も聞きどころで、
人間と閻魔の対比・立場の逆転を眼目として描かれています。
義秀は豪勇の持ち主と伝えられ、峠道を一夜にして切り開いたと云われる
《朝比奈(朝夷奈)切通し》にもその名を残し、現在も鎌倉と金沢八景を結ぶ
交通の要所で、付近には能「六浦」で登場する称名寺が在ります。

また当方演出では劇中 朝比奈〔あさいな〕と発音する事がございます。