雷 (かみなり)
鎌倉での商いが芳しくない藪医者(薬師)は、拠点を奥州へ移そうと考え長旅に発ちます。道中武蔵野に差し掛かると、それまでの天候が一変し雷鳴轟き、目の前に雷様が落ちてきます。したたかに腰を打ち付け苦しむ雷様に対して、薬師は脈を調べたり針療法を施すなど、治療を試しますが・・・。
本来強者であるべき雷様が、弱々しく藻掻き痛がる様が可笑しみを誘います。
流派によっては「神鳴」と表記し、京都(都)の藪医者という設定もあり、また治療の診断が《脳卒中》で「ある」「なし」の違いがあるなど異同が見られます。