弓矢太郎(ゆみやたろう)

登場人物
太郎・連歌の当屋・家来・町衆
上演時間
約45分

常に弓を携えて空威張りする太郎は実は臆病な小心者。そんな太郎を怖がらせてやろうと、天神講で集まった連歌の町衆が相談を始めます。そこへ現れた太郎はいつもの如く狩猟の武勇伝を披露しますが、町衆があれやこれやと脅しに掛かると次第次第に顔色を変えて・・・。

天神講とは、天神様として崇められる菅原道真の月命日である二十五日に催される天満宮天神祭を指し、学問の神 道真にあやかってこの機会に連歌に集う教養慣習もありました。

また劇中、太郎を驚かす策の一つに《玉藻前(たまものまえ)の伝説》が登用されています。このエピソードは狂言「釣狐」や能「殺生石」にも登場する狐の執心・呪いに纏わる説話です。

さて、これらの話を聞かされた太郎の振舞いや虚勢は如何に。