茶 壺(ちゃつぼ)

登場人物
素っ破・男・代官
上演時間
約25分

茶好きの主人の命により栂ノ尾へ買い付けに出掛けた男は、帰路立ち寄った宿場で酔い潰れ、茶壺を背負ったまま道端で寝込んでしまいます。そこへ通りかかった徒者(素っ破)が、これ幸いと近づき肩紐に手をかけ、目覚めた男に自分の物だと主張して・・・。

詐欺師が近付き所有権を云い争う演目は、狂言「長光」にも見られますが、本曲は所有者ならでは知り得ない情報を、止めに入った代官(目代)の前で身振り手振りの仕方話で説明する男と、それを盗み見て真似る素っ破の駆け引きが見どころとなっています。さて目代の裁きは如何に。